しゃぼん玉
明らかに学校行事でこの土地へ来ているのだとわかる、リク達の格好。
学校指定の遠足用バックを身につけた二人の姿は、スーパーの従業員や買い物客の視線を引き付けた。
だが、リクはそんな視線を気にすることはなかった。
メイのそばにいられる喜び。
彼女と過ごすのが楽しいという気持ちと、メイを楽しませたいという思いだけが彼の心に広がっていた。
リクの誘導にキョトンとするメイの小さな顔と陳列棚を交互に見て、リクは次々と尋ねた。
「何食べたい?」
「あ! このお菓子、メイ好きだったよね」
「ノドかわいてる?」
メイは小さな声でリクエストする。
店を回り終える頃には、リクの両手いっぱいに飲み物や菓子が抱えられていた。
それを何とかレジまで持っていき、こっそり持ってきたこづかいで購入する。
通常授業のある日に限らず、リク達の通う小学校では、生徒が金を持ってくるのは禁止されている。
「俺がお小遣い持ってきてること、みんなには秘密ね」
頬を桃色に染めてそう笑うリクに、メイはコクリとうなずいた。