しゃぼん玉
正美は、ハンドバッグの中からおもむろに封筒を取り出した。
その中身が何なのか、メイは見なくてもわかった。
縦20センチ、横9センチほどの茶封筒。
それは、3センチ近い厚みがある。
メイは、いま正美が言おうとしていることを瞬間で悟(さと)った。
「メイちゃんの家庭の事情は、私も分かっているつもりなの。
だからリクも、メイちゃんにいろいろしているのよね。
だから、これを受け取って?」
「………………」
「この中には、200万円入ってるの……。
メイちゃんの生活の役に立ててちょうだい?
……リクの幼なじみのメイちゃんにこんなことを言うのは、本当に心苦しいんだけど……」
封筒から離れた正美の手は、小刻みに震えていた。
「このお金の代わりに……。
もう、リクには関わらないでほしいの……。
お願い……」
それは切ないほどに真剣な声音だった。