しゃぼん玉

正美は、ハンドバッグの中からおもむろに封筒を取り出した。

その中身が何なのか、メイは見なくてもわかった。

縦20センチ、横9センチほどの茶封筒。

それは、3センチ近い厚みがある。

メイは、いま正美が言おうとしていることを瞬間で悟(さと)った。


「メイちゃんの家庭の事情は、私も分かっているつもりなの。

だからリクも、メイちゃんにいろいろしているのよね。

だから、これを受け取って?」

「………………」

「この中には、200万円入ってるの……。

メイちゃんの生活の役に立ててちょうだい?


……リクの幼なじみのメイちゃんにこんなことを言うのは、本当に心苦しいんだけど……」

封筒から離れた正美の手は、小刻みに震えていた。

「このお金の代わりに……。



もう、リクには関わらないでほしいの……。

お願い……」

それは切ないほどに真剣な声音だった。

< 478 / 866 >

この作品をシェア

pagetop