しゃぼん玉
正美と向かい合わせで座るメイ。
正美はさきほどから取り繕うように明るい口調で世間話をしているが、メイはそんな正美に嫌悪感を覚えた。
“用があるならさっさと言えよ”
そう思ったが、ごちゃごちゃするのは面倒なので、あえて何も言わずうつむいていた。
メイの分の注文を終えた後、正美は肉食動物を目前にした小動物のようにか弱い瞳でメイを見つめた。
メイの長いまつげの奥には、拒否的な暗い瞳が見える。
「あのね、メイちゃん……。
今日はメイちゃんにお願いがあって、会いにきたの……」
「………………」
正美は言い、入店してから肌身離さず持っていたハンドバッグの中をたどたどしい手つきで探った。