しゃぼん玉

リクは、メイが今お世話になっている滝川家に向かうことにした。

寄り道をしていない限り、メイはそこにいるはずだから……。

“メイ……!”


マナとシュンは、走り去るリクの背中を見つめながら、クスリと小さく笑った。

「リク君って、シュンみたい。

こう!と思ったら、ああやって突っ走るところ。

穂積さんのこと、本当に大切に思ってるんだね」

「ああ……。

リク見てると、そういうのがすっごい伝わってくるよな。

一生懸命で……。

応援したくなる」

「そうだね。

あんなに人を大切に思えるなんて、いいことだよね。


穂積さんは、幸せ者だよ」

シュンはフッと真剣なまなざしになった後、マナの顔を覗き込み、

「マナも、幸せか?」

「うん。幸せ。

シュンがいて、ミズキちゃんがいて、こうやってなにかに夢中になれる瞬間に出会えるのはさ……」


シュンはそっとマナを抱き寄せ、彼女と同じ気持ちを分かち合った。

リクやミズキ、そして穂積メイの心が晴れる日がくるよう、心から願う二人――。


緊迫した状況の中に流れた、片時の和やかさ。


穂積メイのことはリクに任せ、マナとシュンは穂積翔子の元に向かうのだった。

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