しゃぼん玉

「これは……!!」

ミズキはその封筒を手に取って裏表をひっくり返し、指先を震わせた。

縦、横、10センチほどの封筒。

ミズキはこれに見覚えがあった。

「これね、中学の時、リョウに分けてあげたものなんだ……」


中学生の頃、ミズキの学年では、友達同士で手紙の交換をするのが流行っていた。

少しでも楽しいやり取りが出来たらいいなと思い、ミズキはいろいろな模様のレターセットを集めていた。

それを知っていたリョウ。

ある日彼は、恥ずかしそうに目を伏せ、ミズキにこんなお願いをした。

「ミィちゃん。

しゃぼん玉のイラストか写真がプリントされたレターセット、持ってない?」

「あるよ。しゃぼん玉の写真がプリントされたものなら。

リョウのクラスでも、手紙書くの流行ってるの?」

「ううん、そうじゃないけど……。

ちょっと……ね」

小さな声でそう言い、照れたように瞳を揺らすリョウを見て、ミズキは直感した。

リョウは女の子に手紙を書こうとしているのではないか、と。

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