しゃぼん玉

アイリは二人を見て、

「いいなぁ…………。

ナナセ君は、本当に優しいよね。

そんな人と付き合えてるミズキちゃんが、うらやましい」

と、口元を押さえて泣き出した。

ミズキは瞳を潤ませながらアイリの背中をさする。

ナナセはアイリの顔を覗き込み、

「彼氏と……。

何かあったんだね?」

アイリはゆっくりうなずく。

「ごめんミズキちゃん……。

私、こんなこと言うつもりじゃなかったのに。

今、どうしていいのかわかんないよ……。

まだ、頭の中ぐちゃぐちゃで、全部を受け入れられない……。


彼氏は……。


私の彼氏は……。


……うっ……」

話す覚悟が出来ず、アイリは泣くことでしか自分を保てなかった。

“私でもこんなにつらいのに、ミズキちゃんはもっと……”

アイリはしばらく悲しみで体を震わせていたが、いつまでもこうしているわけにもいかない。

意を決して、肩にかけていたバックの中から、ためらうような手つきで二つの物を取り出した。

黒い携帯電話と、淡い水色と桃色でグラデーションされた封筒を……。

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