しゃぼん玉
メグルは、今まで誰にも話さなかったことを二人に話した。
両親は、高速道路で車を運転中、玉突き事故に巻き込まれて亡くなったのだということ。
当時それは、ニュースにもなったこと。
そして両親の葬式の時に、親戚達が、メグルをどうするのかを話し合っていたこと。
メグルの両親の兄弟は皆、メグルを引き取りたくはないと言い、「メグルは施設に預けよう」という話にまとまりかけた。
その時、メグルの母親の両親……一郎と清が遅れて葬儀に参列し、迷わずメグルを引き取ると申し出た。
清と一郎は、その時遠く離れた北海道に旅行に行っていたため、ここ長崎で行われていた葬儀へ来るのが遅くなってしまった。
清と一郎は、自分の娘が亡くなったことに深い悲しみを覚えながらも、メグルを娘の忘れ形見と思い、大切に育てていくことに決めたのだった。