しゃぼん玉
ただでさえ、成人雑誌の中身に衝撃を受けて心臓が破裂しそうだったのに、友達からそんな話を聞かされてしまい、ナナセは泣きそうになってしまった。
ナナセが女湯に行ったわけじゃないのだが、その女子の話を友達と共有してしまったことに、罪悪感を感じた。
その時、公園で見聞きしたこと全てに対し、恥ずかしいだとか興味が湧く以前に、不快感が込み上げてきた。
盛り上がっているみんなの輪から逃げ出したいと思い、
「帰って今日の復習したいから、バイバイ!!」
とっさの言い訳を口にして、ナナセはその場を立ち去ったのだった。
何とか、それ以上彼らの会話に加わらずには済んだけれど、体のいたるところから込み上げる気持ち悪さが恐ろしくて、家に帰ってからも、そのことが頭にこびりついて、離れなかった。
女湯で同級生の男子と出くわし嫌な思いをしたであろう女子にも、ナナセは心から申し訳ないと思った。
だからといって、彼女に謝りに行くこともできなくて……。
その嫌な思い出を吹き払うように、ナナセはミズキを抱きしめる両腕に力をこめた。
「それから、女の子、女の人が、苦手になって……。
廊下や下駄箱で少し肩がぶつかったりとか、近くに来られるだけでも怖くて、距離おくようになって……。
話しかけられたら、勉強してるフリして、無視とかしちゃってた」