しゃぼん玉

大学に入る前までそんなふうに過ごしていたナナセは、男子の友達には恵まれていたけれど、女子には嫌われたり変わり者扱いをされていた。

けれど、シュンの病室で初めてミズキに声をかけられたから、マナと話せた。

女性と口をきくことができるようになり、今ではアイリというジム友達までいる。


ミズキと電話番号やメールアドレスを交換し、顔は見られない中でたくさんの話をした。

付き合う前、毎日のようにしていた5時間に渡る電話。

つたないメールのやり取り。

初めて一緒に見た、恋愛映画。

ナナセの心に寄り添うような、ミズキのあたたかい手料理。


そういった、一人の時には見られなかったもの、体験できなかったことを、ミズキのおかげで知ることができた。

長い間、固く閉ざしていたナナセの心の一部を解放し、成長させてくれた。


「ミズキちゃんに出会えて、幸せだなって思う。

その……」

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