しゃぼん玉

ミズキに近付き過ぎると、心臓が壊れてしまいそうで……。

ナナセはベッドの端に留まった。


「狭くない?」

そう問い、ミズキはナナセの手に触れる。

彼女の柔らかいあたたかさに触れ、ナナセの頭は、芯まで熱くなる。

「俺は、大丈夫……」

そう言ったものの、布団と毛布の間に隙間が出来ていており、ナナセの背中には冷たい空気があたる。

ミズキはそれに気付いて、

「もっとこっち来ていいよ。

風邪ひいちゃう」

ナナセの腕を、少しだけ強い力で引いた。

それに驚き、背中の筋肉が張り詰めるナナセ。

だが、ミズキらしいふんわりした優しい微笑みのおかげで、ナナセは安心感を取り戻した。


緊張で冴え渡っていたナナセにも、次第に睡魔が押し寄せる。

ミズキは、一人で眠る時よりも心がホッとしていた。

二人はそのまま手をつないで、互いの体温を近くに感じながら朝まで眠ったのだった。

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