しゃぼん玉
翌朝、ミズキとナナセ、そしてアイリは、それぞれの大学へ行くため星崎家を出ようとしていた。
ミズキの両親·菜月と大成は、娘の友達と彼氏を笑顔で見送った。
そんな両親を見て、ミズキは覚悟を決める。
ミズキは今夜、穂積メイのことを両親に話すつもりだった。
それが解決しないと、リョウの話もできないから……。
昨日まではささくれが立っていたアイリとミズキの心も、睡眠を取ったことでだいぶ落ち着いていた。
人の脳は、眠ることであらゆる痛みを和らげるようにできている、と、聞いたことがある。
ナナセは、両者のことをさりげなく心配していたのだが、ナナセが思っていたより、二人の気持ちはだいぶ上を向いているようだった。
「ミズキちゃん、大丈夫?」
朝日に当てられる玄関口。
アイリは申し訳なさそうにミズキを気遣った。
「私は大丈夫だよ。
アイリちゃんこそ、ちゃんと眠れた?」
「私は大丈夫。
ミズキちゃん特製のアロマなお風呂のおかげでグッスリだったよ。
でも……」
アイリは、良質な睡眠を取った後の清々しい表情をフッと曇らせ、自分のケータイを手に取った。
「今朝からずっと、マサヤの家電から、立て続けに着信が来てるの……。
私がケータイ持ち出したこと、マサヤも気付いたみたいで。
どうしよう……」