恋心屋
「ひとまず、電車に乗りましょうか」


そううながされると、切符を買って乗った。


僕が払います、と言ったけれど、ミツキさんは


「いえ、大丈夫です」


と頑なに拒んだ。


このボランティアでは、報酬は受け取らないし、デート時にかかる費用もこちらが負担する必要がないということらしい。


中学生の僕としてはありがたいけれど、申し訳ない気もした。


でも、中学生に払える限界を超えることを今日はするつもりもなかったし、明日以降もすることもないとおもう。
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