恋心屋
電車に乗り込むと、あまり人がいなかったので、僕たちは隣同士に座った。


「僕以外にもこういうことをしたことがあるんですよね?」


「はい」


複雑な気持ちだったけれど、顔には出さず別のことを聞いてみた。


「どんなところに行ったりしたんですか?」


「公園やテーマパーク、図書館やショッピングなんてのもありましたね」


「男性と?」


「はい」


少し照れたように見えたのは気のせいだろうか。


別の男性とこういうことをしたところで、ミツキさんが汚れているわけでもない。


それでも、とおもう自分は心の狭い人間なのかもしれない。
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