恋心屋
昨日は多少疑いのまなざしと緊張した気持ちがあってあまり余裕がなかったし、今日もまだ緊張している。


ミツキさんにもやや壁のようなものがある気がしていたし、何よりも年齢が4歳も異なっているから、どう接していいのかわからなかった。


ミツキさんのようなひとは身近にはいなかったし、何より女性と一緒にいるという状況はあまり馴れていなかった。


何よりも人前で笑うということに抵抗がある。


世の中には何が面白いのかわからないけれど、笑うひとが多い気がする。


別に軽蔑はしないけれど、じぶんはああはなりたくはないなとおもっていた。


だから、自然と人前で笑うことは少なかったようにおもう。


もちろん、中学生だし、笑うことも多少はあるけれど。


「ミツキさんって、不思議な人だなとおもって」


「そうですか?」


ふふふ、と笑うと、ミツキさんはポテトに手を伸ばした。


僕もちょうど取ろうとしていたので、人差し指がミツキさんの指にそっと触れてしまった。
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