黒猫独語
 嫁は台所で食器を洗い、孫はお婆さんと居間にいる。
 沈黙を察したかのように、クロがテーブルの下へゆっくりと歩き、誰の目にもふれない影に身をひそめた。

 やがて、夜が深まったころ、二人は帰っていった。
 
 クロは、お婆さんのいる部屋に入ると、床に伏せてお婆さんを見上げた。
< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop