△~triangle~

……身体は許しても……唇は許さない。

不意に何かの小説で読んだ、とある娼婦の言葉が頭を過った。

別にそんなつもりではなかったが、好きでもない女にキスするなんて……吐き気がする。

……それならこんな場所に来なければいいのに。

そう頭の中で小さく呟くと、クスリと自嘲気味に笑う。

そんな事を考えながらそっと目を閉じると、そのまま深く虚しい快楽の波へと呑み込まれて行った。
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