△~triangle~
「だから俺は全てを拒絶して、あの部屋に閉じ籠ってた。もう誰も信じない。誰も傍に近寄らせない。そうすればきっと自分を守れると、そう思ってた」
「うん」
また小さく呟いて答えると、それから明は困った様に笑った。
「でも、お前、毎日部屋に来るんだもん。俺がどんなに無視したって、何度も部屋の前に来てさ?《今日はいい天気だね~》とか、《ご飯食べなよ。今日のハンバーグ、すっごく美味しいよ~》とか、もううるさいのなんのって」
そう言って明はクスクスと笑い、それから少しだけ悲しそうに瞳を揺らす。