△~triangle~

「でも本当は気になってた。お前は一体どんな気持ちでこの家に来たのかって。須藤家の奴等は皆、お前の事悪く思ってたし、きっと冷たい態度を取られてた筈だ。なのにお前は前と変わらずに、何も無かったみたいに普通に話しかけてきて、それがすっごくムカつくのに、それと同時に……悲しくなった。お前は……苦しくないのかって」

「……明」

そう小さく彼の名を呼ぶと、明は微かに眉を顰めて見せる。

「だからあの夜、俺はお前を部屋に入れた。……お前の本当の考えを知りたくて」

そう言って明は笑うと、それから真っ直ぐに僕を見つめる。
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