△~triangle~

「ごめんな……蓮」

「……え?」

急に彼の口から飛び出したその言葉に、小さく声を洩らす。

「俺はずっと、俺がこんなに苦しい思いをするのは、お前のせいだと思ってた。お前が居るから、俺はこんな目に遭わなきゃならないんだって……嫌な事や悲しい事、全部をお前のせいにしてた。だから……謝りたかったんだ。今までの事も……《あの夜》の事も」

明はとても真剣な顔をしてそう言うと、静かに僕を見つめ続ける。

その瞳は微かな不安を纏い、不安定に揺れながら僕の答えを待っていた。
< 394 / 451 >

この作品をシェア

pagetop