ケンカ+理解×大好き=友情
「あ~、つかれた!!」
一週間のキャババイトを終えた私とミサキは、迎えに来てくれたあっちゃんと共にあっちゃんのアパートに行き、靴を脱ぐなりフローリングの床にゴロンと横に倒れ込んだ。
ミサキはアイスクリームショップのバイトとキャバ嬢バイトのかけもちが辛かったみたいで、横になるなりスースー寝息を立てる。
私はといえば、キャバは基本座ってお客さんと話すだけだから体力的には全然余裕なんだけど、精神的に疲れていた。
お客さんを悪い気分にさせちゃいけない、と、気を張りすぎていた。
ミサキはそういうのが得意で、どんなお客さんを相手にしても陽気にソツなく対応してた。
「夏休み終わったら、本格的にココでバイトさせてもらおっかなー」と言ってたくらいに。
そんなミサキに「ナルミは笑顔でいれば、それで十分だよ!」とアドバイスされて笑顔を作ったりしたけど、これが疲れる疲れる。
ただでさえ、人に媚(こ)びを売ったり愛想を振りまくのが苦手な可愛いげのない私。
でも、これはあっちゃんのためだし、ミサキも頑張ってくれてる。
そう思うと不思議と乗り越えられたし、慣れない仕事もそれなりに楽しく感じた。