ケンカ+理解×大好き=友情

フローリングの上で完全に眠り込んでしまったミサキに、あっちゃんは普段自分が使っているタオルケットをかけ、私に話しかけてきた。

「2人とも、本当にありがとう。

ユナと俺のためにここまでしてくれて……。

今すぐは無理だけど、お金は必ず返すから」

ここに来るまでの間、私とミサキはそれぞれがもらった一週間分のバイト代を、封筒のままあっちゃんに渡していた。

1日4時間しか働いてないのに8万ももらえたのには驚いたけど、ミサキの分も合わせたら16万。

あっちゃんの少ない貯金を出さなくても良くなるから、本当に良かった。


大変ではあったけど、あれはあれで貴重な体験だったし、目標達成できたから満足だ。


「でも、これは多いよ」

あっちゃんは、キッチリ半額の8万を私に返してきた。

「残りは絶対、時間かかっても返すから。

みいちゃんとなっちゃんが頑張って働いたお金だもん。

だからこれは受け取って?」

「あっちゃん……」

その方があっちゃんの気が楽になるというなら……。

「わかった、これは受け取っとく。

でも、そっちのお金は返さなくていいから。

私たち、全部あっちゃんにあげるつもりで働いてたんだよ。

マナツをちゃんと追い払うためだもん。

お金も貸し借りするつもりなかったし、そういうのはどうでもいいの」

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