ケンカ+理解×大好き=友情
最初とは打って変わって、そう話すユナちゃんの口調はハキハキしていた。
だからなのか、今度は私の方がじゃっかん引いてしまう。
「お願いって?」
『私の代わりに、ナルミさんからアマネに伝えてくれませんか?
…………アマネと、別れたいって』
「えぇっ!?」
ユナちゃん、何を言ってるの?
別れ話? それを、私がユナちゃんの代わりにあっちゃんにしろと?
「あのさ、何があったか知らないけど、そういうことは自分で言いなよ。
私から言ったって、あっちゃんは納得できないんじゃないかな」
ユナちゃんを説得した。
ユナちゃんとあっちゃんがうまくいくためなら何でも協力したいけど、そういうことなら話は別だ。
『でも……』
何かを言いかけるユナちゃんの口を遮(さえぎ)った。
「ユナちゃん。電話じゃよく分からないから、会って話さない?
あっちゃんと同じ、音羽大の経済学部だったよね?
あっちゃんから聞いてるかもしれないけど、私そこの理工学部なんだ。
今から音羽キャンパスの東門前まで来てくれる?」
『いえ、あの……』
ユナちゃんは電話一本で全ての面倒を私に押し付け、あっちゃんの前から消えるつもりだったんだろうな。
でも、そうはさせない。そんなの許せない。
戸惑うユナちゃんを無視して、私は宣戦布告するかのような口調で言った。
「来てくれるまでずっと待ってる。
来てくれなくてもいいけど、それなら私はあっちゃんに何も話さないよ」