ケンカ+理解×大好き=友情

浮気に罪悪感のないマナツとのすれ違い。

日に日に、ユナちゃんとマナツの間にあるミゾは深まっていった。


前に聞いたけど、あっちゃんは、弱ったユナちゃんに付け込むようなことはしたくないから、決してユナちゃんに好きとは言わなかったそうだ。

しかし、ユナちゃんはあっちゃんの恋心に気付いていた。

「アマネは友達として私の話を聞いてるって言ってたけど、アマネの気持ちには気付いてました。

最初は、アマネのこと『話きいてくれるいい人』としか思えなくて、異性として見るなんて有り得なかった。

でも、熱心に相談に乗ってくれるアマネに、だんだん揺れ始めて……」


『ユナは十分魅力あるよ。俺が保証する!』
『浮気なんて事故みたいなもんだって! ユナは悪くないんだから、自信持てよ』
『ユナほどイイ女はいないのに、マナツはバカだよな』
『今は無理でも、いつかマナツもユナの大切さに気付くって』

真心の込もったあっちゃんの励ましの言葉で、ユナちゃんの気持ちはだんだん変化していった。

「浮気されて悲しかったけど、マナツの良さを知り尽くしてるのも本当だから今さら別れる勇気がなかった。

だけど、アマネとも付き合ってみたいと思ったんです。

アマネは友達だから優しくしてくるだけかもしれない。いざ付き合ったら、アマネの愛情表現も手抜きになるかもしれない……。そしたらアマネを振ってマナツに戻ろう。

でも、もしアマネの方が良かったら、マナツとはキッパリ別れよう……。


最低なことしてるってのは分かってました。でも、私、1人になりたくなかったんです……」

ユナちゃんは目に涙をためて、苦しそうにそう言った。

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