ケンカ+理解×大好き=友情
ユナちゃんの発言を耳にして私は目をむいた。
あっちゃんは最初から、ユナちゃんに何とも想われてなかったっていうの?
ユナちゃんは、マナツとあっちゃんを天秤(てんびん)にかけていただけ!?
――こんな風に言いたくないけど、悪い言い方をすると、ユナちゃんにとってのあっちゃんは《もしマナツと別れても1人にならないための保険》だったってこと……?
ユナちゃんもマナツに裏切られて、つらかったのかもしれない。
マナツと長く付き合っていたから、1人の時間が怖かったのかもしれない。
でもさ、そんなのってないよ……。
「あっちゃんの気持ちはどうなるの?」
自分でもギョッとしてしまうほど冷たい声が出た。
あっちゃんは、マナツの不誠実な言動からユナちゃんを守ろうと精一杯動いてたのに……!!
悔しさと怒りが混ざった苦い感情が胸の奥から湧き溢れて止まらない。
「あっちゃんの何が悪かったの!?」
きっと今の私は、子羊を餌食にしようとしている狼なみに鋭い目でユナちゃんを睨んでるんだろうな。
ユナちゃんは私の剣幕に引いて一歩のけぞったが、まっすぐな目で私を射抜いた。
「アマネは悪くありませんっ。
ナルミさんが言う通り、私が全部悪いんです……。
アマネは、彼氏彼女の関係になっても、友達の時と変わらず優しくしてくれて、まっすぐ好きでいてくれて……。私も何の不安もなく付き合えた。
アマネにナルミさんみたいな女友達がいても平気でいられたのは、アマネがいつも、態度と言葉で好きって示してくれたから……。
でも、ダメだったんです……。
マナツは簡単に浮気したけど……。私とケンカしたら、イライラして腹いせに女と遊ぶような人だけど……。
やっぱり、マナツのことが好きなんです……。
アマネは悪くありません……」