ケンカ+理解×大好き=友情
今まで、人との揉め事が苦手だった。
ぶつかり合って不仲になったり、傷つけ合ってギクシャクしてしまうくらいなら、相手の良さを頑張って理解して仲良くなる方が簡単だと感じてた。
でも、違ったよ。
私はただ、敵を作りたくなかっただけ。
誰かと対立して、弱い心に傷がつくのを恐れていただけ。
みんなの意見や立場を尊重したいと言いながら、1番大事だったのは自分。
この前「中立は嫌われる」と言ったミサキは、私にそういうことを伝えたかったのかもしれない。
みんなと親しくやっているフリをしつつ、私は誰のことも信じていなかったんだね……。
今まではそれで許されていたかもしれない。見過ごされていたかもしれない。
でも、それじゃダメなんだ。
今、やっと、分かった気がする……。
本当の友情が何なのか。
友達を守りたい。
自分にとって損か得かを考えずに動きたいと思えるかどうか。
ただ、それだけ。
それ以上に必要なものなんてない……!
「ナルミ、さん……」
私の言葉にショックと驚きを隠せないのか、ユナちゃんの涙はひっこみ、この場からどう逃げるか考えている感じで腕組みをした。
私がそんなことを言うなんて、夢にも思ってなかったんだろうな。
さっきまでの泣き顔はどこにいってしまったのか……。地獄の門番みたいにいかつい表情をしてうつむいてる。
さすがにこの場面で「大和撫子っぽい雰囲気が台なしだよ~」と空気を読んでないような発言をする気はないが、心の中で言っておいた。