ケンカ+理解×大好き=友情
どうやってユナちゃんに白状させようか。
私の頭では、これ以上ユナちゃんを問い詰める材料が見つけられない。
熱い気持ちとは裏腹に、冷ややかな焦りが背中を伝う。
悔しいけど、このままユナちゃんをマナツの元に帰すしかないの!?
大学の敷地を囲うように等間隔で設置された蛍光灯の白い光が、私たちを照らす。
時間的に、大学の外壁に沿った道路にも車通りが少なく、周囲にはビルしかない。
じんわり広がる不気味な静けさ。
いま学内に入ったら軽く肝試し気分が味わえるかもしれないと頭の片隅で思っていると、
「ナルミ、よく言った!」
ミサキの元気かつ好戦的な声音が夜のなまぬるい風の中を走った。
「ミサキ! ……と、あっちゃん!?」
コンビニでの勤務を終えたのだろうあっちゃんの横には、昼間アイスクリームショップでバイトしていたはずのミサキの姿が。
2人がここにいることだけでもビックリなのに、なぜか、2人の間にはマナツまでいる。
彼の顔を見るのは今回で2回目。いや、3回目だ!!
この前、ミサキとアミューズメント施設に行った時、マナツに似た男を見かけた。その隣にいたのがユナちゃんだった。
やっと思い出せた……。
あの日、私はユナちゃんとすれ違っていた。だから、初対面であるはずのユナちゃんの顔にも見覚えがあったんだ。
マナツは、ミサキとあっちゃんに両手の自由を奪われうなだれている。
私の大切な友達2人は、それぞれの腕でマナツのそれをガッチリと挟んでいた。
まるで、数十年逃げ回っていた逃亡犯を死に物狂いで捕まえた刑事のように。