リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「判らん、というのは?」
「定刻になっても姿がないんで、またいつものように、更衣室あたりにでもいるんだろうと思っていたんだが、今日はいつになっても姿を見せなくてな」
「そう言えば……、いませんでしたね。朝」
「原田に聞いてみたら、今日は見ていないというんでな。携帯に電話してもらっても、連絡がつかん」
「はあ」
「仕方がないから、常務にこのままだと欠勤になることを伝えたら、会社に行くと言っていつも通りに家を出ていると言うんだ。母親が電話を入れても、でないらしくてな」
そんなときに、そんな自殺未遂なんて話しが耳に入ったら、とんでもないぞ。
困ったと、また一人、深呼吸にも近い深いため息を吐き出した岡本は、小林に牧野の戻り時間を尋ねた。
「四時までには戻ると、昼過ぎに連絡がありました」
「そっか」
ちと、あいつと対策を講じるかなと呟く岡本を見ながら、誰がそんなこと言い出したんでしょうねと、明子は呆れた声で呟き、頭を捻って考えた。
なにか、きっかけがあるはずだ。
そんなウワサが流れ出すきっかけが。
なにもなく、いきなり、そんなウワサが生まれるはずがない。
そのきっかけを作った人物なら、美咲たちの居所を知っているのではないだろうかと、明子は考えた。
「渡辺。なんか、心当たりないか? ウワサの出所」
明子と岡本の会話が終わっても、珍しく無言のままだった木村が、唐突にそんなことを言い出した。
その声に、視線が自然と渡辺に集まっていく。その視線に、少しばかりの躊躇を見せていた渡辺は、やがて思い切った顔で口を開いた。
「定刻になっても姿がないんで、またいつものように、更衣室あたりにでもいるんだろうと思っていたんだが、今日はいつになっても姿を見せなくてな」
「そう言えば……、いませんでしたね。朝」
「原田に聞いてみたら、今日は見ていないというんでな。携帯に電話してもらっても、連絡がつかん」
「はあ」
「仕方がないから、常務にこのままだと欠勤になることを伝えたら、会社に行くと言っていつも通りに家を出ていると言うんだ。母親が電話を入れても、でないらしくてな」
そんなときに、そんな自殺未遂なんて話しが耳に入ったら、とんでもないぞ。
困ったと、また一人、深呼吸にも近い深いため息を吐き出した岡本は、小林に牧野の戻り時間を尋ねた。
「四時までには戻ると、昼過ぎに連絡がありました」
「そっか」
ちと、あいつと対策を講じるかなと呟く岡本を見ながら、誰がそんなこと言い出したんでしょうねと、明子は呆れた声で呟き、頭を捻って考えた。
なにか、きっかけがあるはずだ。
そんなウワサが流れ出すきっかけが。
なにもなく、いきなり、そんなウワサが生まれるはずがない。
そのきっかけを作った人物なら、美咲たちの居所を知っているのではないだろうかと、明子は考えた。
「渡辺。なんか、心当たりないか? ウワサの出所」
明子と岡本の会話が終わっても、珍しく無言のままだった木村が、唐突にそんなことを言い出した。
その声に、視線が自然と渡辺に集まっていく。その視線に、少しばかりの躊躇を見せていた渡辺は、やがて思い切った顔で口を開いた。