リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「野々村、かもしれません」
発せられた沼田の硬い声に、小林たちの視線が一斉に沼田に集まった。
集中する視線に、すぐに沼田の額には汗が浮かび始めたが、まっすぐに自分を見ている野木の真剣な視線を受け止めて、沼田は声を震わせながら言葉を続けていく。
「小杉主任が、土建屋の仕事に入ってすぐのころに……、原田が、言っていたんです」
「なにを」
「なんか、急に森口さんの話しを始めて、坂下さんたちが、前にいろいろと嫌がらせみたいなことしていたことがありましたよねって。あれ、じつは野々村さんがやらせてたんですよって」
「マジで?!」
「すいません。すぐに話しておくべきでした。電話とかメールの話は聞いていましたけど、まさか、そんなことまでしていたとは思ってなくて。あいつも、楽しそうに笑いながら言うから、あまり本気にしてなくて。なに言ってんだ、こいつってくらいにしか、思ってなくて」
やや震えているその声を聞きながら、野々村も原田も怖いと言っていた沼田の言葉を、明子もようやく思い出した。
(確かに、これは怖いわ)
野木の憤った声が「なんで、こんなことを」と、主犯格たちの顔を思い浮かべて吐き出すように告げた。
「なんで、野々村が森口のこと」
「……野木主任に、相手にして貰えなかったからって」
「なんだよ、それっ」
ふざけんな、バカと、野木は声を荒げてそう吐き捨てた。
「なんで、それで森口のこと」
「森口のせいで、振られたとでも思ったんだろ」
川田が額を抱えるようにして、ほとほと呆れ返ったというように、そう吐き捨てた。
「バカじゃねえのか、あいつら」
「バカだろ。バカとしか言いようがねえだろ。だって、お前と森口と付き合うようになったのって、そのストーカーみたい連中に、森口が付きまとわれるようになったのがきっかけだろ?」
「ああ。俺が野々村たちにまとわりつかれていたころは、付き合うもなにも、あいつとは仕事の話ししか、したことなかったぜ」
「だよな。つうか、前のと別れるのなんのでごちゃごちゃしてたころだろ?」
「だな。で、しばらくしたら、課長からあいつが変なのに付きまとわれてるらしいって聞かされて、仕事で帰りが遅くなるときは、なるべく送ってやってくれって頼まれて、一緒に帰るようになってから、いろいろ話するようになってさ」
それが付き合いだしたきっかけだよと、野木は憮然とした顔でそう言葉を締めくくった。
発せられた沼田の硬い声に、小林たちの視線が一斉に沼田に集まった。
集中する視線に、すぐに沼田の額には汗が浮かび始めたが、まっすぐに自分を見ている野木の真剣な視線を受け止めて、沼田は声を震わせながら言葉を続けていく。
「小杉主任が、土建屋の仕事に入ってすぐのころに……、原田が、言っていたんです」
「なにを」
「なんか、急に森口さんの話しを始めて、坂下さんたちが、前にいろいろと嫌がらせみたいなことしていたことがありましたよねって。あれ、じつは野々村さんがやらせてたんですよって」
「マジで?!」
「すいません。すぐに話しておくべきでした。電話とかメールの話は聞いていましたけど、まさか、そんなことまでしていたとは思ってなくて。あいつも、楽しそうに笑いながら言うから、あまり本気にしてなくて。なに言ってんだ、こいつってくらいにしか、思ってなくて」
やや震えているその声を聞きながら、野々村も原田も怖いと言っていた沼田の言葉を、明子もようやく思い出した。
(確かに、これは怖いわ)
野木の憤った声が「なんで、こんなことを」と、主犯格たちの顔を思い浮かべて吐き出すように告げた。
「なんで、野々村が森口のこと」
「……野木主任に、相手にして貰えなかったからって」
「なんだよ、それっ」
ふざけんな、バカと、野木は声を荒げてそう吐き捨てた。
「なんで、それで森口のこと」
「森口のせいで、振られたとでも思ったんだろ」
川田が額を抱えるようにして、ほとほと呆れ返ったというように、そう吐き捨てた。
「バカじゃねえのか、あいつら」
「バカだろ。バカとしか言いようがねえだろ。だって、お前と森口と付き合うようになったのって、そのストーカーみたい連中に、森口が付きまとわれるようになったのがきっかけだろ?」
「ああ。俺が野々村たちにまとわりつかれていたころは、付き合うもなにも、あいつとは仕事の話ししか、したことなかったぜ」
「だよな。つうか、前のと別れるのなんのでごちゃごちゃしてたころだろ?」
「だな。で、しばらくしたら、課長からあいつが変なのに付きまとわれてるらしいって聞かされて、仕事で帰りが遅くなるときは、なるべく送ってやってくれって頼まれて、一緒に帰るようになってから、いろいろ話するようになってさ」
それが付き合いだしたきっかけだよと、野木は憮然とした顔でそう言葉を締めくくった。