リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「今日、いないんだろ? そう聞いたから来たんだけど、いるなら、戻るぞ、俺は」
これ以上、面倒の種を蒔きたくはないと言うように、自分の所属長の頭痛の種の不在を改めて確認する上原に、朝から一派揃って欠勤ですよと、川田は呆れ声で不在を教えた。
「ほれ、今さ、あそこの会社の仕事、取りに行ってるだろ、ウチ」
それは知ってるよな?
念のためというようにそう確認してくる上原に、明子は一つ頷いた。
だからこそ、回ってきた仕事に明子は頭を抱えているのだ。知らないとは言えなかった。
「井上課長が、ずっと営業かけていたところなんだよ、あそこ。二年くらい粘って足を運び続けて、やっと、今回の話しになったんだ」
「井上課長らしいですね」
「なあ。で、なんか、お前のことを聞かれたらしい。元気にしているかって。お前がまだ営業にいると思っていたみたいだから、他の部署に異動にしたこと教えて、どういう知り合いか尋ねたら、じつは仲人をするはずだったって聞かされたんだと」
仲人という言葉でその人物に思い当たった明子は、なにか引っかかるものを感じて、上原の背後の会議室に目を向けた。
(井上課長が、あそこに営業かけるようになったのは、もしかして、牧野さんの橋渡し?)
(今でも、密に連絡を取り合っているってこと?)
(あー。年賀状のやりとりくらいはあるって言っていたっけ?)
(離婚の事。もしかして、知っていたの?)
だからと言って、今さら寄りを戻すつもりはないけれど、知っていることならば隠さないで話して欲しかったなと、少しだけ拗ねたように明子は頬を膨らませた。
上原はそんな明子の様子など気にも掛けずに、言葉を続けていった。
これ以上、面倒の種を蒔きたくはないと言うように、自分の所属長の頭痛の種の不在を改めて確認する上原に、朝から一派揃って欠勤ですよと、川田は呆れ声で不在を教えた。
「ほれ、今さ、あそこの会社の仕事、取りに行ってるだろ、ウチ」
それは知ってるよな?
念のためというようにそう確認してくる上原に、明子は一つ頷いた。
だからこそ、回ってきた仕事に明子は頭を抱えているのだ。知らないとは言えなかった。
「井上課長が、ずっと営業かけていたところなんだよ、あそこ。二年くらい粘って足を運び続けて、やっと、今回の話しになったんだ」
「井上課長らしいですね」
「なあ。で、なんか、お前のことを聞かれたらしい。元気にしているかって。お前がまだ営業にいると思っていたみたいだから、他の部署に異動にしたこと教えて、どういう知り合いか尋ねたら、じつは仲人をするはずだったって聞かされたんだと」
仲人という言葉でその人物に思い当たった明子は、なにか引っかかるものを感じて、上原の背後の会議室に目を向けた。
(井上課長が、あそこに営業かけるようになったのは、もしかして、牧野さんの橋渡し?)
(今でも、密に連絡を取り合っているってこと?)
(あー。年賀状のやりとりくらいはあるって言っていたっけ?)
(離婚の事。もしかして、知っていたの?)
だからと言って、今さら寄りを戻すつもりはないけれど、知っていることならば隠さないで話して欲しかったなと、少しだけ拗ねたように明子は頬を膨らませた。
上原はそんな明子の様子など気にも掛けずに、言葉を続けていった。