リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「広島の件、マジで助かったよ。まだ荷解きしてないから、今日は手ぶらできちまったけど、来週、なんか土産物持ってくるよ」
うまいチーズがいくつかあるんだ、酒のつまみにいいだろうと言いながら、上原曰わくの小粋な帽子を被り直して、上原は明子たちに背を向けた。
「いや、いいですよ。そんな。あれは仕事ですから」
そんなこと、気にしないでくださいよと、明子は上原に手を振った。
まあ、そう言いなさんなと言いながら、時差ぼけが抜けねえなあとぼやきつつ、上原は部屋を後にした。
「けっきょく、なにが目的で来たんですかね。上原さん」
「まあ、とりあえず、井上課長からの伝書鳩と、あっこちゃん頑張れコールにきたんじゃねえの?」
目をぱちくりとさせ、上原の消えた入り口を見ながら、誰にとも無くそんなことを呟く川田に、小林は笑いながらそう答えた。
応援してるぞ、負けんじゃねんぞ。
立ち去る上原の背中からはそんなエールが聞こえたようで、思わず泣き出してしまいそうになるのを明子は堪えて、頬をピシャピシャと叩くと、さて、お仕事お仕事と、自分を取り戻すための呪文を唱えた。
-あっこちゃんには、敵も多いが味方も多い。
牧野の口癖を、なんとなく自分自身に置き換えて、明子は胸の中で呟いた。
うまいチーズがいくつかあるんだ、酒のつまみにいいだろうと言いながら、上原曰わくの小粋な帽子を被り直して、上原は明子たちに背を向けた。
「いや、いいですよ。そんな。あれは仕事ですから」
そんなこと、気にしないでくださいよと、明子は上原に手を振った。
まあ、そう言いなさんなと言いながら、時差ぼけが抜けねえなあとぼやきつつ、上原は部屋を後にした。
「けっきょく、なにが目的で来たんですかね。上原さん」
「まあ、とりあえず、井上課長からの伝書鳩と、あっこちゃん頑張れコールにきたんじゃねえの?」
目をぱちくりとさせ、上原の消えた入り口を見ながら、誰にとも無くそんなことを呟く川田に、小林は笑いながらそう答えた。
応援してるぞ、負けんじゃねんぞ。
立ち去る上原の背中からはそんなエールが聞こえたようで、思わず泣き出してしまいそうになるのを明子は堪えて、頬をピシャピシャと叩くと、さて、お仕事お仕事と、自分を取り戻すための呪文を唱えた。
-あっこちゃんには、敵も多いが味方も多い。
牧野の口癖を、なんとなく自分自身に置き換えて、明子は胸の中で呟いた。