リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「今から行っても、顔をちょっと見てくるだけですよね?」
土日のほうが良くないですか?
車に乗り込んでから言うのもなんですがと前置きして、そう提案する明子に「いや、それだと逆に気を使わせるから」と、牧野は首を振った。
終礼を手短に済ませた牧野は、見舞いに行くぞと明子に告げて、帰り支度を急がせた。
見舞いに行くことは予め言われていたので、明子も荷物はすでにまとめてあった。
「休みの日に行くとな、赤木さんが気にしてしまうんだ。休みを潰してしまって申し訳ないって。あの人、そういうところあるんだ。だから、仕事帰りにちょっと、お顔を見に寄りましたよっていうていどのほうがいいんだ」
牧野の言葉に、そういうものかと明子は頷いた。
赤木との付き合いは牧野のほうが長い。
心臓の持病のことも知っていたくらいだ。
明子が思っているよりも、牧野は赤木と親しい付き合いをしているのかもしれないと考えて、牧野の言葉に従うことにした。
「これが、初めてじゃないんだ。俺のとこで受け持つようになってすぐのころ、発作を起こして、入院したことあってな」
牧野は淡々と昔のことを語り出した。
「そうなんですね」
「うん。そのときな。休みの日に見舞いに行ったらな、申し訳ない申し訳ないって、頭下げてな。病院の目の前の花やが実家で、店の手伝いに来たついでに寄っただけですからって言っても、恐縮しててな。何度も入退院を繰り返しているから、気にしちまうみたいなんだ」
そんなことがあったのかと思いながら、明子は小さく一つため息を吐いて、ずっと胸の中にあったもやもやを、牧野にぶつけてみることにした。
土日のほうが良くないですか?
車に乗り込んでから言うのもなんですがと前置きして、そう提案する明子に「いや、それだと逆に気を使わせるから」と、牧野は首を振った。
終礼を手短に済ませた牧野は、見舞いに行くぞと明子に告げて、帰り支度を急がせた。
見舞いに行くことは予め言われていたので、明子も荷物はすでにまとめてあった。
「休みの日に行くとな、赤木さんが気にしてしまうんだ。休みを潰してしまって申し訳ないって。あの人、そういうところあるんだ。だから、仕事帰りにちょっと、お顔を見に寄りましたよっていうていどのほうがいいんだ」
牧野の言葉に、そういうものかと明子は頷いた。
赤木との付き合いは牧野のほうが長い。
心臓の持病のことも知っていたくらいだ。
明子が思っているよりも、牧野は赤木と親しい付き合いをしているのかもしれないと考えて、牧野の言葉に従うことにした。
「これが、初めてじゃないんだ。俺のとこで受け持つようになってすぐのころ、発作を起こして、入院したことあってな」
牧野は淡々と昔のことを語り出した。
「そうなんですね」
「うん。そのときな。休みの日に見舞いに行ったらな、申し訳ない申し訳ないって、頭下げてな。病院の目の前の花やが実家で、店の手伝いに来たついでに寄っただけですからって言っても、恐縮しててな。何度も入退院を繰り返しているから、気にしちまうみたいなんだ」
そんなことがあったのかと思いながら、明子は小さく一つため息を吐いて、ずっと胸の中にあったもやもやを、牧野にぶつけてみることにした。