リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「今までずぅーっと、はぐらかされてきましたけど、あのプロジェクト、リーダーは誰ですかっ」
「……お察しのとおり、ボンボンだっ」
文句があるかと開き直る牧野に、信じられないと明子は不貞腐れた。
「やっぱり、面倒な権力闘争に人を巻き込みましたねっ」
否応無く、人を長いもので巻き込みましたねっ 臭い蓋の入れ物に押し込めましたねっ
信じられない、バカバカバカと、明子は運転中でなければ殴り倒してやるのにと、鼻に皺を寄せている横顔を、忌々しそうに睨みつけた。
「仕方ねえだろ。ご指名だったんだから」
俺が企んだわけじゃねえやと、牧野は開き直りに終始する。そんな牧野の左腕に、明子はパンチを一つ繰り出した。
「いてーよ」
「なんで、私なんかを指名するんですかっ ボンボン様なら、私なんか指名しないで、お気に入りの牧野さん指名するでしょっ」
「ウチに決まれば、そっからさきの設計開発作業には入るよ、俺が。間違いなく」
明子の言葉にそう反論しつつ、なんで、うっかり口滑らしちまったんだ、俺はと、面倒くさいと言わんばかりにため息を吐く牧野に、ため息吐きたいのはこっちですよと明子は頬を膨らませた。
「新事業部の話、覚えてるか?」
「韓国料理屋さんで聞いた話ですか?」
「ああ。アレ、そもそもの言いだしっぺは、ボンボンなんだ」
「は?」
「こっち帰ってきたとき、そういう話をしたらしい」
爺さんと。
さらりと告げられたその言葉に、明子は頭を抱えたくなった。
「……お察しのとおり、ボンボンだっ」
文句があるかと開き直る牧野に、信じられないと明子は不貞腐れた。
「やっぱり、面倒な権力闘争に人を巻き込みましたねっ」
否応無く、人を長いもので巻き込みましたねっ 臭い蓋の入れ物に押し込めましたねっ
信じられない、バカバカバカと、明子は運転中でなければ殴り倒してやるのにと、鼻に皺を寄せている横顔を、忌々しそうに睨みつけた。
「仕方ねえだろ。ご指名だったんだから」
俺が企んだわけじゃねえやと、牧野は開き直りに終始する。そんな牧野の左腕に、明子はパンチを一つ繰り出した。
「いてーよ」
「なんで、私なんかを指名するんですかっ ボンボン様なら、私なんか指名しないで、お気に入りの牧野さん指名するでしょっ」
「ウチに決まれば、そっからさきの設計開発作業には入るよ、俺が。間違いなく」
明子の言葉にそう反論しつつ、なんで、うっかり口滑らしちまったんだ、俺はと、面倒くさいと言わんばかりにため息を吐く牧野に、ため息吐きたいのはこっちですよと明子は頬を膨らませた。
「新事業部の話、覚えてるか?」
「韓国料理屋さんで聞いた話ですか?」
「ああ。アレ、そもそもの言いだしっぺは、ボンボンなんだ」
「は?」
「こっち帰ってきたとき、そういう話をしたらしい」
爺さんと。
さらりと告げられたその言葉に、明子は頭を抱えたくなった。