リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なんで、まずは実績を作りたいんだ。反対派をきっちり、黙らせるだけの実績。それで、あの仕事に目をつけた」
「まあ、大きな仕事になりますからね。あそこの内部システムの乗せかえなら、予算も、それなりのものになるでしょうし」
「だから、お前を引っ張っていこうとしているんだと思う。つうか。今日の上原さんの話し聞いて、やっと確信した。あれは、俺も初耳だからな、マジで、今日、初めて聞いた。でも、あいつは、井上課長から聞いているんだと思う」
だから、お前を使って一か八かの大勝負に出たんだ、あのバカ。
もともと、手段は選ばないところはあったけどよ、そうきたかよと、牧野はまた盛大なため息を吐いた。
「それって……」
明子も、心底嫌そうな顔で大きく息を吐き出して、爆発寸前の怒りを堪えて飲み込み、胸の中で息に溶かして吐き出した。
明子が、向こうにとっての落としどころになるかもしれない。
牧野がボンボンと呼ぶあの人が、本気でそんな計算をしたのだとしたら、明子もやるせない気分になった。
「断りたくなってちゃってるんですけど、あの話」
「いいぞ」
明子の言葉に、牧野はあっさりと是首する。
「お前が、ホントにやりたくないって言うなら断るって、そう言ってよな、俺。うそじゃねえから、信じろよ。お前がやりたくないって言うなら、アレがなにを言ってきても断る。ごり押しするようなら辞表叩きつけてやら」
好き勝手になんかさせねえから。
するりと伸ばしてきた左手で、明子の右手を握り締める牧野に、明子は一呼吸あけてから、小さく、でもしっかりと、はいと頷いた。
「まあ、大きな仕事になりますからね。あそこの内部システムの乗せかえなら、予算も、それなりのものになるでしょうし」
「だから、お前を引っ張っていこうとしているんだと思う。つうか。今日の上原さんの話し聞いて、やっと確信した。あれは、俺も初耳だからな、マジで、今日、初めて聞いた。でも、あいつは、井上課長から聞いているんだと思う」
だから、お前を使って一か八かの大勝負に出たんだ、あのバカ。
もともと、手段は選ばないところはあったけどよ、そうきたかよと、牧野はまた盛大なため息を吐いた。
「それって……」
明子も、心底嫌そうな顔で大きく息を吐き出して、爆発寸前の怒りを堪えて飲み込み、胸の中で息に溶かして吐き出した。
明子が、向こうにとっての落としどころになるかもしれない。
牧野がボンボンと呼ぶあの人が、本気でそんな計算をしたのだとしたら、明子もやるせない気分になった。
「断りたくなってちゃってるんですけど、あの話」
「いいぞ」
明子の言葉に、牧野はあっさりと是首する。
「お前が、ホントにやりたくないって言うなら断るって、そう言ってよな、俺。うそじゃねえから、信じろよ。お前がやりたくないって言うなら、アレがなにを言ってきても断る。ごり押しするようなら辞表叩きつけてやら」
好き勝手になんかさせねえから。
するりと伸ばしてきた左手で、明子の右手を握り締める牧野に、明子は一呼吸あけてから、小さく、でもしっかりと、はいと頷いた。