リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「小杉さん。少し、お痩せになりましたか?」
ややあって、ふと、赤木がそんな言葉を口にした。
心配げな声のその問いかけに、明子よりも先に、牧野が口を開いて答えた。
「ウェデングドレスを着るのに痩せるんだと、妙に張り切っちゃいましたね」
「な、なにを言って」
バカっと、怒鳴りだとそうになった明子の耳に、それはよかったという、赤木の安心したような声が聞こえてきた。
「ご結婚されるんですか。それはよかった」
「いや、えーとですね」
「そろそろ、小杉から牧野にならないかと、説得しました。詳細が決まったら、また、お知らせしに馳せ参じますので」
わたわたと言い繕うとする明子の傍らで、牧野はしたり顔でそんなことを赤木に伝える。
(ま、牧野っ)
(外堀を固めるにしても、姑息過ぎっ)
(きーっ)
どんどんと埋められていく外堀に、この策士をどう成敗してくれようと、明子は腹の底でぐつぐつと報復手段を考えながら、目元を綻ばせて喜んでくれている赤木に「なんか、そういうことになってしまいまして、えへへ」と、照れ笑いのような笑みを見せた。
「とても、お似合いですよ」
「そうでしょう。俺もそう思います。美男美女で」
「バカですか、牧野さん。よくそんなことを自分で言いますね。だいたい、人のことを子豚と言っているのは誰ですかっ」
赤木の言葉に胸を張ってそう答える牧野に、明子は思わずいつもの調子で吠えた。
「すいません。もう、自分に自信満々な人なんです。この人」
「男は、それくらいでないと」
はははと、楽しそうに笑う赤木の顔に、明子も牧野も一緒になって笑った。
ややあって、ふと、赤木がそんな言葉を口にした。
心配げな声のその問いかけに、明子よりも先に、牧野が口を開いて答えた。
「ウェデングドレスを着るのに痩せるんだと、妙に張り切っちゃいましたね」
「な、なにを言って」
バカっと、怒鳴りだとそうになった明子の耳に、それはよかったという、赤木の安心したような声が聞こえてきた。
「ご結婚されるんですか。それはよかった」
「いや、えーとですね」
「そろそろ、小杉から牧野にならないかと、説得しました。詳細が決まったら、また、お知らせしに馳せ参じますので」
わたわたと言い繕うとする明子の傍らで、牧野はしたり顔でそんなことを赤木に伝える。
(ま、牧野っ)
(外堀を固めるにしても、姑息過ぎっ)
(きーっ)
どんどんと埋められていく外堀に、この策士をどう成敗してくれようと、明子は腹の底でぐつぐつと報復手段を考えながら、目元を綻ばせて喜んでくれている赤木に「なんか、そういうことになってしまいまして、えへへ」と、照れ笑いのような笑みを見せた。
「とても、お似合いですよ」
「そうでしょう。俺もそう思います。美男美女で」
「バカですか、牧野さん。よくそんなことを自分で言いますね。だいたい、人のことを子豚と言っているのは誰ですかっ」
赤木の言葉に胸を張ってそう答える牧野に、明子は思わずいつもの調子で吠えた。
「すいません。もう、自分に自信満々な人なんです。この人」
「男は、それくらいでないと」
はははと、楽しそうに笑う赤木の顔に、明子も牧野も一緒になって笑った。