リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「ほれ、行くぞ」
そう明子に声をかけると、手を取って、声の主を振り返った。
「よっ 久しぶり」
「なにが久しぶりだよっ 顔を見せろって言っても、来ねえしっ」
もう少し、家に寄り付けっ
花束が入ったバケツを抱えるようにして立っていた亮一が、ずんずんとこちらに向かってくる様子に、明子はわたわたと身なりを確認したり、牧野の様子を横目で窺ったりするが、そんな明子の慌てぶりさえ楽しむように、牧野も明子の手を引いて、亮一に向かって歩きだした。
(ま、牧野さんっ)
(ちょ、ちょっとっ 待ってくださいってばっ)
(心の準備ってもんがーっ)
(牧野ーっ)
(ばかーっ)
牧野のばかーっと、何度も心中で悪態をつきまくりながら、明子も仕方なく牧野に続いた。
「なにしてんだよ、病院で? どっか悪いのかよ?」
目元が少し似ているかな、背も高いわねと、正面に立った亮一にそんな感想を添えつつ、明子はパニック猛進中の頭の中を落ち着かせようと試みた。
亮一の問いかけに、牧野はうんにゃっと手を振って答えた。
「知り合いの見舞い」
「ホントだな?」
「ホントだよ」
「ならいいけどさ。どっか悪いなら隠すなよ。孝平、そういうの、隠すからさぁ」
「隠すって。大げさなんだよ。ウチの家族がっ」
インフルエンザくらいで。
亮一がなにを怒っているのか、それに検討がついた牧野は、やれやれというため息をつくが、いやいや、ため息を吐きたいのこっちですからっと、思わず明子はそうつっこみそうになった。
そう明子に声をかけると、手を取って、声の主を振り返った。
「よっ 久しぶり」
「なにが久しぶりだよっ 顔を見せろって言っても、来ねえしっ」
もう少し、家に寄り付けっ
花束が入ったバケツを抱えるようにして立っていた亮一が、ずんずんとこちらに向かってくる様子に、明子はわたわたと身なりを確認したり、牧野の様子を横目で窺ったりするが、そんな明子の慌てぶりさえ楽しむように、牧野も明子の手を引いて、亮一に向かって歩きだした。
(ま、牧野さんっ)
(ちょ、ちょっとっ 待ってくださいってばっ)
(心の準備ってもんがーっ)
(牧野ーっ)
(ばかーっ)
牧野のばかーっと、何度も心中で悪態をつきまくりながら、明子も仕方なく牧野に続いた。
「なにしてんだよ、病院で? どっか悪いのかよ?」
目元が少し似ているかな、背も高いわねと、正面に立った亮一にそんな感想を添えつつ、明子はパニック猛進中の頭の中を落ち着かせようと試みた。
亮一の問いかけに、牧野はうんにゃっと手を振って答えた。
「知り合いの見舞い」
「ホントだな?」
「ホントだよ」
「ならいいけどさ。どっか悪いなら隠すなよ。孝平、そういうの、隠すからさぁ」
「隠すって。大げさなんだよ。ウチの家族がっ」
インフルエンザくらいで。
亮一がなにを怒っているのか、それに検討がついた牧野は、やれやれというため息をつくが、いやいや、ため息を吐きたいのこっちですからっと、思わず明子はそうつっこみそうになった。