リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「葬儀の段取りやらなんやらで、こっちはてんてこ舞いしてるってときに、なんにもしねえで、ぼさっとしているようなヤツから、そんな話をされてな。かなり、むかついちまった」
「だから、なにかお手伝いすることはと、電話で聞いたじゃないですか」
「一課のことで、そこまでウチが動員しちまったら、一課の顔を潰しちまうだろう。本当なら、俺があれこれやっちまうのもどうだって話だろが。島野係長のとこは、全員、広島に張り付いてる状態だから、急な話で身動き取れなかったのは判るよ。にしても、吉田係長以外、誰も顔も見せなくてな。吉田係長だって、出てきてはいるけど、休日にこんなことで呼び出されてだのなんだのと、ぼやいてばかりでなにもしやしねえ。もう、腹が立つやら情けないやらで、一人でカリカリして動いちまってたんだよ」
「野木主任とか、沼田くんあたりなら、出てきてくれそうですけどね」
おかしいなと訝しがる明子に、牧野は答えを教えた。
「俺が連絡入れるまで、なんの連絡も行ってなかったんだよ。一課の連中くらいには、連絡してあるんだろうと思っていたんだ。なのに、沼田に今日の会議のことで電話を入れたら、驚かれてな。島野係長とか野木に慌てて電話してみたら、なにも聞いてねえって有様だった。まあ、吉田係長が適切な判断して、自分からあれこれ動いているはずがねえと、気付かなかった俺がバカだったんだけどな」
容易に想像がつくが、あまりにもイタいその光景に、明子もげんなりとするしかなかった。
「だから、なにかお手伝いすることはと、電話で聞いたじゃないですか」
「一課のことで、そこまでウチが動員しちまったら、一課の顔を潰しちまうだろう。本当なら、俺があれこれやっちまうのもどうだって話だろが。島野係長のとこは、全員、広島に張り付いてる状態だから、急な話で身動き取れなかったのは判るよ。にしても、吉田係長以外、誰も顔も見せなくてな。吉田係長だって、出てきてはいるけど、休日にこんなことで呼び出されてだのなんだのと、ぼやいてばかりでなにもしやしねえ。もう、腹が立つやら情けないやらで、一人でカリカリして動いちまってたんだよ」
「野木主任とか、沼田くんあたりなら、出てきてくれそうですけどね」
おかしいなと訝しがる明子に、牧野は答えを教えた。
「俺が連絡入れるまで、なんの連絡も行ってなかったんだよ。一課の連中くらいには、連絡してあるんだろうと思っていたんだ。なのに、沼田に今日の会議のことで電話を入れたら、驚かれてな。島野係長とか野木に慌てて電話してみたら、なにも聞いてねえって有様だった。まあ、吉田係長が適切な判断して、自分からあれこれ動いているはずがねえと、気付かなかった俺がバカだったんだけどな」
容易に想像がつくが、あまりにもイタいその光景に、明子もげんなりとするしかなかった。