リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
そろりそろりと、牧野が眠るソファーに近づくと、狸寝入りでもなんでもなく、本気で熟睡している寝顔がそこにあった。
まだ寝たりないらしい。
そりゃ、金曜からほとんど寝ていなかったんだものねと、明子も納得し、落ちそうになっているタオルケットをかけ直すと、静かにキッチンに戻る。
焼きうどんを盛った皿と、スープを入れておいた皿が、綺麗に洗った状態で、水切りカゴに立て置かれていた。
妙なところで几帳面で律儀な牧野らしいと、明子は思わず笑みを浮かべた。
最近では調理台を兼ねた物置場と化している、二人掛け用の小さなテーブルに、紙切れが一枚あった。
買い物に出かける旨を、牧野に宛てて書き残していったメモ紙だった。
二行分。
言葉が増えていた。
‐ごちそうさま
‐うまかった
下手ではないのだが癖の強いその字を指先でなぞり、明子は忍び笑いを漏らす。
(こんなの、木村くんが見たら、『でちそうさま』ってなんですかって、また、真顔で聞かれちゃいますよ)
そんなことを思いながら、メモを書類ケースの中に入れた。
なんとなく、捨てるのが惜しかった。
まだ寝たりないらしい。
そりゃ、金曜からほとんど寝ていなかったんだものねと、明子も納得し、落ちそうになっているタオルケットをかけ直すと、静かにキッチンに戻る。
焼きうどんを盛った皿と、スープを入れておいた皿が、綺麗に洗った状態で、水切りカゴに立て置かれていた。
妙なところで几帳面で律儀な牧野らしいと、明子は思わず笑みを浮かべた。
最近では調理台を兼ねた物置場と化している、二人掛け用の小さなテーブルに、紙切れが一枚あった。
買い物に出かける旨を、牧野に宛てて書き残していったメモ紙だった。
二行分。
言葉が増えていた。
‐ごちそうさま
‐うまかった
下手ではないのだが癖の強いその字を指先でなぞり、明子は忍び笑いを漏らす。
(こんなの、木村くんが見たら、『でちそうさま』ってなんですかって、また、真顔で聞かれちゃいますよ)
そんなことを思いながら、メモを書類ケースの中に入れた。
なんとなく、捨てるのが惜しかった。