リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
二課は、遅刻の連絡が入った二名と客先に直行している者以、全員が席に着いていた。
新人の岡島が、ありがとうございますと言いたげに、木村をこっそりと手を合わせている姿を、明子は目の端で捉えた。
おそらく、木村が引っ張ってこなかったら、岡島はまだ自販機前の休憩スペースで、他部署の同期社員たちと話し込んでいたに違いない。
その木村は、明子を見ながら、尻尾をぶんぶん振っている子犬のような顔をしていた。
その顔に、明子は思わず笑い出しそうになったが、辛うじて堪えた。
(さっそく、チョコレートに気が付いたかな?)
木村の喜ぶ顔を想像すると、沈み掛けていた気分がふわりと浮いてきた。
嬉しいを素直を嬉しいと表現できる木村に、気持ちを救われていることが多いと、口には出さないけれど、最近、それをしみじみと実感していた。
笹原は、各課の状況報告を手帳に書き込んでいく。
小林曰く、それは『世にも恐ろしい閻魔帳』らしい。
(雷、ドカン、かあ)
(怖っ)
そんなことを考えながら、明子はずっと、牧野から考えてくれと言われたあの仕事のことを、頭の片隅で考え続けていた。
どれだけ逃げても、いつかは出さなければならない答えなら、早く出した方がいいに違いない。
いつまでも迷っていたら、牧野だって困るはずだ。
牧野の横顔を見ながら、明子はそんなことを考え続けていた。
新人の岡島が、ありがとうございますと言いたげに、木村をこっそりと手を合わせている姿を、明子は目の端で捉えた。
おそらく、木村が引っ張ってこなかったら、岡島はまだ自販機前の休憩スペースで、他部署の同期社員たちと話し込んでいたに違いない。
その木村は、明子を見ながら、尻尾をぶんぶん振っている子犬のような顔をしていた。
その顔に、明子は思わず笑い出しそうになったが、辛うじて堪えた。
(さっそく、チョコレートに気が付いたかな?)
木村の喜ぶ顔を想像すると、沈み掛けていた気分がふわりと浮いてきた。
嬉しいを素直を嬉しいと表現できる木村に、気持ちを救われていることが多いと、口には出さないけれど、最近、それをしみじみと実感していた。
笹原は、各課の状況報告を手帳に書き込んでいく。
小林曰く、それは『世にも恐ろしい閻魔帳』らしい。
(雷、ドカン、かあ)
(怖っ)
そんなことを考えながら、明子はずっと、牧野から考えてくれと言われたあの仕事のことを、頭の片隅で考え続けていた。
どれだけ逃げても、いつかは出さなければならない答えなら、早く出した方がいいに違いない。
いつまでも迷っていたら、牧野だって困るはずだ。
牧野の横顔を見ながら、明子はそんなことを考え続けていた。