リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「いいですか? 滅多なことじゃ、無理なんて言わないヤツが、無理と言って尻込みしてるんですよ。なのに、どうして、ちゃんと話を聞いてくれませんかね? 仕事を増やしたことに対するフォローだってないですよね。まさか、原田にやらせるんだから仕事が減ったなんて、思ってるわけじゃないですよね?」
木村たちの手前を考えて、小林は極力敬語で牧野に言い諭す。
「これが川田や、松山さんに頼むことなら、そんな頭ごなしにやれなんて言いませんよね。事情説明して、用意してある善後策伝えて、負担が掛からないようなバックアップ体制ちゃんと整えてやりますよね? なんでそういうことを、小杉にはしていだだけないですか? それを甘えだって言ってるんですよ」
「それは自分が」
「課長は、これから客先に出ることが増えますよね。年末に客先回りもしないで、社内に張り付いていられますか?」
「時間は作ります」
「いつですか? 夜中ですか。朝ですか? 小杉主任に、朝から晩まで会社に缶詰状態で働いてろと」
「違いますよ」
「ホントは、なにも考えてないんでしょう。仕事が増えるの判ってて、それでも、小杉なら、一人でもどうにかしてくれるだろうって高をくくって。それを甘えと言ってるんですよ。前もそうやって甘え倒して失敗したのに、また同じことを繰り返してるから、バカと言ったんですよ」
お判りいただけましたでしょうかという小林の言葉に、牧野は腕を組んだまま押し黙る。
そんな牧野と小林を見たのは初めてなのだろう。
目に丸くして箸が止まったままの木村に「早く食っちまえ、昼休み終っちまうぞ」と、目尻に皺を寄せて笑う小林の声に、ようやく木村はいつものように昼食を取り始めた。
沼田もパンを食べ始めた。
木村たちの手前を考えて、小林は極力敬語で牧野に言い諭す。
「これが川田や、松山さんに頼むことなら、そんな頭ごなしにやれなんて言いませんよね。事情説明して、用意してある善後策伝えて、負担が掛からないようなバックアップ体制ちゃんと整えてやりますよね? なんでそういうことを、小杉にはしていだだけないですか? それを甘えだって言ってるんですよ」
「それは自分が」
「課長は、これから客先に出ることが増えますよね。年末に客先回りもしないで、社内に張り付いていられますか?」
「時間は作ります」
「いつですか? 夜中ですか。朝ですか? 小杉主任に、朝から晩まで会社に缶詰状態で働いてろと」
「違いますよ」
「ホントは、なにも考えてないんでしょう。仕事が増えるの判ってて、それでも、小杉なら、一人でもどうにかしてくれるだろうって高をくくって。それを甘えと言ってるんですよ。前もそうやって甘え倒して失敗したのに、また同じことを繰り返してるから、バカと言ったんですよ」
お判りいただけましたでしょうかという小林の言葉に、牧野は腕を組んだまま押し黙る。
そんな牧野と小林を見たのは初めてなのだろう。
目に丸くして箸が止まったままの木村に「早く食っちまえ、昼休み終っちまうぞ」と、目尻に皺を寄せて笑う小林の声に、ようやく木村はいつものように昼食を取り始めた。
沼田もパンを食べ始めた。