リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
時間になったら、仕事を始める。
そんなことは当然のことだと、明子は思っていた。
しかし、驚いたことに第二システム部の女子社員たちは時間になっても席にも着かず、休憩所などで喋っていたりすることが多かった。
そそくそと、時間を見て席に戻っていたのは、紀子くらいだった。
その現実に驚いた明子は、とにかく二課の女子社員だけでも、憎まれ役覚悟で二人の女子社員を注意した。
二人とも松山の下にいる社員だ。
自分が直接、彼女たちの行動に意見しても問題はないだろうと考えた。
突然、明子からそんな注意をされたことに彼女たちは驚いたようだが、次の日からは時間になったら席につくようになっていた。
ほかの課の女子たちにも、それとなく、席に着くようにと言い含め、一人二人と明子の言葉を聞くようになった。けっきょく、それがとどめとなって、第二システム部の女子社員は二つのグループは分かれてしまった。
それを思うと、幸恵が明子たちとともに行動していたほうが、不思議なことだったのかもしれない。
(あのころは、森口さんも、朝から客先に直行することは少なかったから)
(なんとなく、同じ課の先輩にくっついていただけなのかも)
幸恵の不可思議な行動にそう結論付けながら、また幸恵を呼んだ明子は、改めて仕事の指示を出した。
そして、午後の仕事が始まって一時間が過ぎ。
幸恵が三度目の「判りません」を、明子に言いに来た。
人事部の現行システムより画面設計書を作らせてみようと、各画面の入出力項目表を作るよう指示したのだが、画面名と項目名を抜き出すと、あとは全て判らないと言いふて腐る。
「なにが判らないの?」
「全部です」
「全部じゃ判らないから、なにがどう判らないか、それを説明してください」
勤務時間は上司や先輩に対しては敬語を使いなさいと、仕事を始める前に明子にきつく諭された幸恵は、仕方なさそうにですます口調に言葉尻を変えたが、その顔は不満そうだった。
なんでそんな偉そうなの。
そんな不満が顔にありありと出ている。
そんなことは当然のことだと、明子は思っていた。
しかし、驚いたことに第二システム部の女子社員たちは時間になっても席にも着かず、休憩所などで喋っていたりすることが多かった。
そそくそと、時間を見て席に戻っていたのは、紀子くらいだった。
その現実に驚いた明子は、とにかく二課の女子社員だけでも、憎まれ役覚悟で二人の女子社員を注意した。
二人とも松山の下にいる社員だ。
自分が直接、彼女たちの行動に意見しても問題はないだろうと考えた。
突然、明子からそんな注意をされたことに彼女たちは驚いたようだが、次の日からは時間になったら席につくようになっていた。
ほかの課の女子たちにも、それとなく、席に着くようにと言い含め、一人二人と明子の言葉を聞くようになった。けっきょく、それがとどめとなって、第二システム部の女子社員は二つのグループは分かれてしまった。
それを思うと、幸恵が明子たちとともに行動していたほうが、不思議なことだったのかもしれない。
(あのころは、森口さんも、朝から客先に直行することは少なかったから)
(なんとなく、同じ課の先輩にくっついていただけなのかも)
幸恵の不可思議な行動にそう結論付けながら、また幸恵を呼んだ明子は、改めて仕事の指示を出した。
そして、午後の仕事が始まって一時間が過ぎ。
幸恵が三度目の「判りません」を、明子に言いに来た。
人事部の現行システムより画面設計書を作らせてみようと、各画面の入出力項目表を作るよう指示したのだが、画面名と項目名を抜き出すと、あとは全て判らないと言いふて腐る。
「なにが判らないの?」
「全部です」
「全部じゃ判らないから、なにがどう判らないか、それを説明してください」
勤務時間は上司や先輩に対しては敬語を使いなさいと、仕事を始める前に明子にきつく諭された幸恵は、仕方なさそうにですます口調に言葉尻を変えたが、その顔は不満そうだった。
なんでそんな偉そうなの。
そんな不満が顔にありありと出ている。