リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
牧野のコーヒーと自分と小林のお茶を淹れて戻ると、すでに美咲たちと、それから姿を消していた幸恵が席に着いていた。
笹島も彼女たちと一緒に戻ってきたのか、木村が配り歩いていた大福を食べながら、出かける用意をしているようだった。
牧野の机に、コーヒーを淹れてきたマグカップを置くと「また、出しゃばってる」「やあね」と言う、聞こえよがしの囁き声が明子の耳に届いたが、気づいていないように聞き流した。
「俺の大福がねえぞ」
食べ物の恨みだ言うように膨れている牧野に、もう、ホントにしょうがない課長さんですねと、明子は苦笑し、自分の机の上に置いてあった分を牧野の机に置いた。
「お前の分だろ」
「なんか、食べたくなくて。食べてください」
そのやりとりをみて「あんな事までして、気を引こうとするのね」「いやらしい」というひそひそ声が聞こえ、つい、ため息が出た。
川田たちが、嫌そうに顔をしかめているのが判った。
なにをしたところで、彼女たちは明子のことが気に入らないのだろう。
ずっと、こんな空気の中で仕事をすることになるのかと思うと、勘弁してと、明子はぼやきそうになった。
「お前。昼もほとんど食ってなかったろ。大丈夫か?」
心配げに明子を見上げる小林に、明子は苦笑しながら、大丈夫ですよと答えて席に座る。
「食べてないってことないですよ。係長や課長と同じ量を、食べてないってだけですよ」
「この食いしん坊の課長の食欲と比較するつもりはないけどな、半分も食べてないだろ、弁当。いつもあんななのか?」
「主任のお弁当箱、小さいですよ。こんなくらいです」
木村で手で明子の弁当箱の大きさを小林に作って見せる。
「そうなのか。昨日の弁当、けっこう大きくなかったか?」
「スープが別の容器に入っているんですよ。ご飯とおかずだけなら、お弁当箱の大きさは、木村くんが言うくらいですよ」
「無理なダイエットなんかするんじゃねえぞ。あとから体にくるからな」
笹島も彼女たちと一緒に戻ってきたのか、木村が配り歩いていた大福を食べながら、出かける用意をしているようだった。
牧野の机に、コーヒーを淹れてきたマグカップを置くと「また、出しゃばってる」「やあね」と言う、聞こえよがしの囁き声が明子の耳に届いたが、気づいていないように聞き流した。
「俺の大福がねえぞ」
食べ物の恨みだ言うように膨れている牧野に、もう、ホントにしょうがない課長さんですねと、明子は苦笑し、自分の机の上に置いてあった分を牧野の机に置いた。
「お前の分だろ」
「なんか、食べたくなくて。食べてください」
そのやりとりをみて「あんな事までして、気を引こうとするのね」「いやらしい」というひそひそ声が聞こえ、つい、ため息が出た。
川田たちが、嫌そうに顔をしかめているのが判った。
なにをしたところで、彼女たちは明子のことが気に入らないのだろう。
ずっと、こんな空気の中で仕事をすることになるのかと思うと、勘弁してと、明子はぼやきそうになった。
「お前。昼もほとんど食ってなかったろ。大丈夫か?」
心配げに明子を見上げる小林に、明子は苦笑しながら、大丈夫ですよと答えて席に座る。
「食べてないってことないですよ。係長や課長と同じ量を、食べてないってだけですよ」
「この食いしん坊の課長の食欲と比較するつもりはないけどな、半分も食べてないだろ、弁当。いつもあんななのか?」
「主任のお弁当箱、小さいですよ。こんなくらいです」
木村で手で明子の弁当箱の大きさを小林に作って見せる。
「そうなのか。昨日の弁当、けっこう大きくなかったか?」
「スープが別の容器に入っているんですよ。ご飯とおかずだけなら、お弁当箱の大きさは、木村くんが言うくらいですよ」
「無理なダイエットなんかするんじゃねえぞ。あとから体にくるからな」