リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「それくらいの年なら、無理して奥さんに働いてもらわなくても、じゅうぶん、給料をもらっていそうですよねえ」
なんで、そこにこだわるんでしょうねと、木村はますます不思議そうな顔になった。
「収入的にはそうかもしれないけど、奥さんも働いてくれていたほうが、もっと楽じゃない。なんか、趣味の多い人だったから、そういうことに掛けるお金は減らしたくなかったみたいよ」
「は?」
なんですか、その理由。
木村が理解不能と言うように、目を真ん中に寄せるような顔になって明子を見ていた。
「その年まで一人でいると、いろいろと頑固になる人もいるのよね。あるていど、安定した収入があって、それを好きなように使って、ずっと生活していたわけでしょ。そのスタイルを変えてまで結婚しなくてもいい。もし結婚するなら、今までと同じ生活スタイルでオッケーって人じゃないとな。みたいな」
「生活スタイル?」
「それまで、お給料は全部、自分のために使っていたわけでしょ。でも、自分の稼ぎで家族を養わなきゃならなくなったら、そういうわけにもいかないでしょ。だからね、自分も奥さんも働いていて、それぞれ財布は別にしておいて、必要な生活費は割り勘でっていう生活を、その人は望んでいたみたい。なにがあっても譲れない、お見合い相手の条件は、とにかく定職についていて自分を養っていける経済力があるってことだって、引合された席で言っていたもの」
明子の言葉を聞きながら「でも、女性の場合、そういうわけにもいかない時期があるでしょう」と、木村はまだ理解できないように首を傾げていたが、その木村に「そんな珍しい話でも、ないんじゃないかな」と言ったのは、珍しく村田だった。
「最近、聞くよ、そういう話。俺の友だちでもいるしな。共働きなんだけど相手がいくら給料を貰っているのかも知らないって。お互い、毎月十万ずつ出して、家のローンとか食費とか光熱費とか、そういう金は全部そこから出すって。残った金は、それぞれ自分で管理しているから、お互いの貯金額も知らないんだとさ」
「子どもとかできたらどうするんだろうな、そういう夫婦って」
へえっと、驚きの声をあげながらの川田の疑問に「そのときはそのときで、また変わるんしゃないんですかね、生活のルールが」と、村田も首を捻りながらそう答えた。
なんで、そこにこだわるんでしょうねと、木村はますます不思議そうな顔になった。
「収入的にはそうかもしれないけど、奥さんも働いてくれていたほうが、もっと楽じゃない。なんか、趣味の多い人だったから、そういうことに掛けるお金は減らしたくなかったみたいよ」
「は?」
なんですか、その理由。
木村が理解不能と言うように、目を真ん中に寄せるような顔になって明子を見ていた。
「その年まで一人でいると、いろいろと頑固になる人もいるのよね。あるていど、安定した収入があって、それを好きなように使って、ずっと生活していたわけでしょ。そのスタイルを変えてまで結婚しなくてもいい。もし結婚するなら、今までと同じ生活スタイルでオッケーって人じゃないとな。みたいな」
「生活スタイル?」
「それまで、お給料は全部、自分のために使っていたわけでしょ。でも、自分の稼ぎで家族を養わなきゃならなくなったら、そういうわけにもいかないでしょ。だからね、自分も奥さんも働いていて、それぞれ財布は別にしておいて、必要な生活費は割り勘でっていう生活を、その人は望んでいたみたい。なにがあっても譲れない、お見合い相手の条件は、とにかく定職についていて自分を養っていける経済力があるってことだって、引合された席で言っていたもの」
明子の言葉を聞きながら「でも、女性の場合、そういうわけにもいかない時期があるでしょう」と、木村はまだ理解できないように首を傾げていたが、その木村に「そんな珍しい話でも、ないんじゃないかな」と言ったのは、珍しく村田だった。
「最近、聞くよ、そういう話。俺の友だちでもいるしな。共働きなんだけど相手がいくら給料を貰っているのかも知らないって。お互い、毎月十万ずつ出して、家のローンとか食費とか光熱費とか、そういう金は全部そこから出すって。残った金は、それぞれ自分で管理しているから、お互いの貯金額も知らないんだとさ」
「子どもとかできたらどうするんだろうな、そういう夫婦って」
へえっと、驚きの声をあげながらの川田の疑問に「そのときはそのときで、また変わるんしゃないんですかね、生活のルールが」と、村田も首を捻りながらそう答えた。