リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
体を泡だらけにして洗いながら、明子は下腹の肉を摘んだ。
思わずこぼれ出た、暗いため息が、浴室でぽわんと反響する。
下腹だけではない。
太ももも二の腕も。
相変わらず、タプタプという感じの無駄な肉が揺れていた。
(まあ、腹筋も、スクワットも、始めて二週間くらいだし)
(それだって、してない日もあるし)
(そんなすぐに、効果が出るはずないもんね)
(昨日も、今日も、帰りは車で送ってもらって)
(ほとんど、歩いてないし)
言い訳じみた言葉を並べて自分をそう慰めてみたものの、目にしているこの現実に落胆のため息が止まらない。
(いやだなあ)
家に来いと言った牧野の言葉を思い出した明子は、気分が滅入ってきた。
もしかしたら、今夜のことでまた気まずくなってしまい、そのままなくなってしまう話になるかもしれないけれど、そうなったらそうなったで、けっきょくは落ち込むだろうけれど、でも、気が重くなってしまったのは事実だった。
こんな体を、牧野に見られてしまうのかと思うと、逃げ出したくなってきた。
(なんで、こんなときに誘ってきたのよ)
(バカ)
(牧野のバカ)
(もっと、痩せていたときもあったのに)
男性にしてはほっそりとした、牧野の指を明子は思い出した。
思わずこぼれ出た、暗いため息が、浴室でぽわんと反響する。
下腹だけではない。
太ももも二の腕も。
相変わらず、タプタプという感じの無駄な肉が揺れていた。
(まあ、腹筋も、スクワットも、始めて二週間くらいだし)
(それだって、してない日もあるし)
(そんなすぐに、効果が出るはずないもんね)
(昨日も、今日も、帰りは車で送ってもらって)
(ほとんど、歩いてないし)
言い訳じみた言葉を並べて自分をそう慰めてみたものの、目にしているこの現実に落胆のため息が止まらない。
(いやだなあ)
家に来いと言った牧野の言葉を思い出した明子は、気分が滅入ってきた。
もしかしたら、今夜のことでまた気まずくなってしまい、そのままなくなってしまう話になるかもしれないけれど、そうなったらそうなったで、けっきょくは落ち込むだろうけれど、でも、気が重くなってしまったのは事実だった。
こんな体を、牧野に見られてしまうのかと思うと、逃げ出したくなってきた。
(なんで、こんなときに誘ってきたのよ)
(バカ)
(牧野のバカ)
(もっと、痩せていたときもあったのに)
男性にしてはほっそりとした、牧野の指を明子は思い出した。