リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
会社に着いてからの二〇分から三〇分。
この春からほぼ、二人きりの時間だった。
つい最近まで、挨拶のあと話しをすることがあるとしたら、天気や話題になっているニュースなど、当たり障りのない話しをしているだけで、二人の会話は終っていた。
それを思うと、ここ数日の変化が不思議だった。
昔のように、たわいないことから真面目なことまで、牧野といろんな話しをするようになった。
昔ではできなかったような、二人の将来を見つめ合っているようなそんな話しも、牧野とするようになった。
一気に縮まった二人のその距離に、明子自身が、驚きと戸惑いを覚えていた。
(こういうものなのかな、人の縁って)
(ダメなときは、どうがんばってもダメで)
(でも、うまくいくときは、一気に、うまくいくものなのかな)
いろんな意味で、自分が変わらなきゃいけないときを、今、自分は迎えているということなのだろうと、明子はソファーの上で膝を抱えるようにして座りながら、そんなことをしみじみと考えた。
林田に言われた、階段の前という言葉が思い出された。
(よし)
(明日から勉強する、毎日)
(目指せ、一発合格!)
(できるはず)
そう決意して眠りについて迎えた朝は、どんよりとした曇り空だったけれど、気持ちは妙に晴れやかだった。
だから、バス停一つ分の徒歩も、その足取りは軽やかなものだった。
この春からほぼ、二人きりの時間だった。
つい最近まで、挨拶のあと話しをすることがあるとしたら、天気や話題になっているニュースなど、当たり障りのない話しをしているだけで、二人の会話は終っていた。
それを思うと、ここ数日の変化が不思議だった。
昔のように、たわいないことから真面目なことまで、牧野といろんな話しをするようになった。
昔ではできなかったような、二人の将来を見つめ合っているようなそんな話しも、牧野とするようになった。
一気に縮まった二人のその距離に、明子自身が、驚きと戸惑いを覚えていた。
(こういうものなのかな、人の縁って)
(ダメなときは、どうがんばってもダメで)
(でも、うまくいくときは、一気に、うまくいくものなのかな)
いろんな意味で、自分が変わらなきゃいけないときを、今、自分は迎えているということなのだろうと、明子はソファーの上で膝を抱えるようにして座りながら、そんなことをしみじみと考えた。
林田に言われた、階段の前という言葉が思い出された。
(よし)
(明日から勉強する、毎日)
(目指せ、一発合格!)
(できるはず)
そう決意して眠りについて迎えた朝は、どんよりとした曇り空だったけれど、気持ちは妙に晴れやかだった。
だから、バス停一つ分の徒歩も、その足取りは軽やかなものだった。