リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「あなたが、誰とお付き合いなさろうと、それは、あなたの自由ですけどね、牧野さんは、いずれ、美咲の夫となっていただく方なのよ。それなのに、美咲のことを悪者にして、牧野さんの気を引こうだなんて、いい加減になさいっ なんて恥知らずな。あなたが何をしようと、牧野さんの気持ちは決まっています。あなたのような人を、牧野さんが選ぶはずがないんです。美咲がいるんですから。美咲と牧野さんの邪魔をして、仲を引き裂こうだなんて、恥知らずな厚かましいマネはしないでちょうだいっ」
機関銃のように途切れることなく言葉を吐き出す母親に、明子は呆気に取られるばかりだった。
(牧野さーん)
(未来のお嫁さんとお義母さんが、来てますよー)
(どうにかしてくださーい)
できることなら、美咲たちではなく。
この二人を前に途方に暮れている牧野の顔を見て、思い切り指差して笑い転げてやりたかったが、この面白くも頭の痛い場面に牧野はいなかった。
いるのは、明子だ。
(いったい、母親になにを吹き込んできたのかしら)
(というか、今、仲を裂くって言った?)
(仲って……)
(なに?)
似た者母娘に、朝からこれでもかという疲労感を覚えながら、明子は母親の言葉など聞いていなかったように、用向きを尋ねた。
「ここには、どういったご用件で?」
「どういったご用件ですって。まあ、なんて人なの。今の話を、なにも聞いていなかったの?」
それは聞いていましたけどと答えながらも、明子は、だからなんだと言い返したい気分だった。
機関銃のように途切れることなく言葉を吐き出す母親に、明子は呆気に取られるばかりだった。
(牧野さーん)
(未来のお嫁さんとお義母さんが、来てますよー)
(どうにかしてくださーい)
できることなら、美咲たちではなく。
この二人を前に途方に暮れている牧野の顔を見て、思い切り指差して笑い転げてやりたかったが、この面白くも頭の痛い場面に牧野はいなかった。
いるのは、明子だ。
(いったい、母親になにを吹き込んできたのかしら)
(というか、今、仲を裂くって言った?)
(仲って……)
(なに?)
似た者母娘に、朝からこれでもかという疲労感を覚えながら、明子は母親の言葉など聞いていなかったように、用向きを尋ねた。
「ここには、どういったご用件で?」
「どういったご用件ですって。まあ、なんて人なの。今の話を、なにも聞いていなかったの?」
それは聞いていましたけどと答えながらも、明子は、だからなんだと言い返したい気分だった。