リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「美咲は、あなたが言うような娘じゃありませんよっ 失礼な人ね。牧野さんの前の奥様が、どんな方かは存じませんけど、そんな人に似ているはずがないでしょうっ」
「似ていると言ってましたけどね、牧野課長も」
虫唾が走るくらい似ていると、うんざりしていましたよ。
鼻を鳴らしながらの小林の言葉に、美咲はまた泣きだしそうな顔になって、母親にどうしたらいいのと縋りついた。
そんな美咲に、母親は大丈夫よと宥めるように甘い声で美咲を慰めた。
「牧野さんは、誤解されているのよ。美咲ちゃんの言うとおりだわ。ぜったい、この人たちが美咲ちゃんの悪口ばかりを吹き込んで、牧野さんを怒らせたに違いないわ。かわいそうにねえ。大丈夫よ。ママがちゃんと、美咲は素晴らしい女性ですと、牧野さんにお話してあげますからね」
大丈夫よ、安心しなさいと言い続ける母親に、明子は疲れた顔で頭を抱え、小林は鼻先でそんな二人をせせら笑った。
「小杉主任」
「はい?」
「守衛に連絡してくれ。不審者がいるってな」
「な、何言ってのよ、私のママよ」
小林の言葉に、美咲は目を向いた。
「これで三度目だよな。勝手に、母親をここに入れるの」
小林がやや眼光を鋭くした目で、美咲を睨みつけた。その睨みに、美咲は顔をひきつらせて黙り込んだ。
明子は小林のその言葉に、ただ唖然となるだけだった。
「二度目のときに、牧野課長からも、釘を刺されているはずですよね。次にこんなことをしたら、守衛に突き出すと。取締役にも、それは言ってありますし、そうしてくれていいという了承も得ていますので」
小杉。守衛に連絡しろ。
背後の母親を振り返り、その顔を見据えながら、小林は無機質な声で、小杉にまた同じ言葉を繰り返した。
「似ていると言ってましたけどね、牧野課長も」
虫唾が走るくらい似ていると、うんざりしていましたよ。
鼻を鳴らしながらの小林の言葉に、美咲はまた泣きだしそうな顔になって、母親にどうしたらいいのと縋りついた。
そんな美咲に、母親は大丈夫よと宥めるように甘い声で美咲を慰めた。
「牧野さんは、誤解されているのよ。美咲ちゃんの言うとおりだわ。ぜったい、この人たちが美咲ちゃんの悪口ばかりを吹き込んで、牧野さんを怒らせたに違いないわ。かわいそうにねえ。大丈夫よ。ママがちゃんと、美咲は素晴らしい女性ですと、牧野さんにお話してあげますからね」
大丈夫よ、安心しなさいと言い続ける母親に、明子は疲れた顔で頭を抱え、小林は鼻先でそんな二人をせせら笑った。
「小杉主任」
「はい?」
「守衛に連絡してくれ。不審者がいるってな」
「な、何言ってのよ、私のママよ」
小林の言葉に、美咲は目を向いた。
「これで三度目だよな。勝手に、母親をここに入れるの」
小林がやや眼光を鋭くした目で、美咲を睨みつけた。その睨みに、美咲は顔をひきつらせて黙り込んだ。
明子は小林のその言葉に、ただ唖然となるだけだった。
「二度目のときに、牧野課長からも、釘を刺されているはずですよね。次にこんなことをしたら、守衛に突き出すと。取締役にも、それは言ってありますし、そうしてくれていいという了承も得ていますので」
小杉。守衛に連絡しろ。
背後の母親を振り返り、その顔を見据えながら、小林は無機質な声で、小杉にまた同じ言葉を繰り返した。