リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「あー。おいしそうだなー」

島野からのメールに添えられていた写真に、喉がなった。
お昼は、広島焼きらしい。
いかにも、焼きたて作りたいという状態の広島焼きが写っていた。
ソースの匂いが鼻に蘇ってきたようで、食欲をそそった。

「なんですか?」

幸恵の相手などする気もなくなったように、木村は明子にそう声をかけてきた。

「島野さんのお昼。広島焼きなの。ほら」

おいしそうと、楽しげな声で報告してきた明子に、木村は微妙な顔つきになった。

「いつ、メアドとか交換したんですか?」
「へ?」
「島野さんと」
「月曜よ? なんで?」

なにかを探るように目をバチバチさせている木村を、明子は不思議がって、ああ、あれかと思い至った。

「みんなには、まだ教えていないらしいわね。私が第一号だって」

どうだー、羨ましいでしょーと、のんきに笑う明子に木村も吹き出した。

「いや、羨ましいとかじゃなくですね」
「島野さんって、確か、手を出した女の子にしか、ケータイのメアド教えないんですよね」

まだ沼田の前に立ったまま粘っていた原田が、意地悪そうな声で、明子を見下ろしながらそう告げた。

「そうなの。いやだわ、小杉さんったら。男の人なら誰でもいいんだ」
「お前らなっ」

幸恵の言葉に意味深な笑い声をあげる香里に、木村が香里を睨みつけていた。
明子はそんな香里と幸恵に、なにを言っているんだかと、笑い声をあげる。
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