リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「そんな噂話、本気にしてるの? そんなわけないじゃない」
おかしそうにクスクスと笑う明子に、幸恵は目をつり上げて食って掛かった。
「みんな、そう言ってるわっ」
「そうらしいわね。誤解なのよ。あのね、島野係長が今まで仕事用に使っていたケータイ、メールの機能そのものをつけていなかったんですって」
「へ?」
思いがけない明子の言葉に、とっさに木村がやや甲高い素っ頓狂な声をあげた。
「プライベート用のケータイではメールのやりとりはしていたけど、仕事用のケータイは通話さえできればいいって、契約の時につけなかったんだそうよ。でも、ケータイもかなり年季が入ってきたんで、日曜に広島から戻ってきたときに機種変して、そのとき、メールもできるようにしたんですって。さすがに、これだけ長い間、会社を離れていると、仕事用でもメールを使えたほうが便利だなって」
「へえ。まあ、割り切っちゃえば、通話だけでも十分ですしね、仕事の用件って」
「ただ、プライベート用のケータイではメールができていたでしょ。ときどき、会社の女の子とかに、教えて欲しいってせがまれることがあって、これは特別な人にしか教えられないからって断ってるうちに、それにいろいろと尾びれ背びれがついちゃったらしいわ」
「アドレスくらい、教えてあげればよかったのに」
「最初は教えていたんだそうなんだけど、第三にいたころ、教えた覚えのない客先の女性社員から、変なメールや電話がくるようになって、どうやって知ったのか問いただしたら、ウチの社員の女の子から教えてもらったって」
「それ、ダメでしょ。勝手に教えちゃ」
ぼかんとした顔で聞いてた木村が、信じられねえとぼやいた。
「そうよねえ。でも、教えちゃったそうなの。それから、教える人を限定することにしたんですって」
「へえ。なんか、いろいろ大変ですね、島野係長も」
しみじみといった感じの木村の感想に、明子もそうねえと頷いた。
おかしそうにクスクスと笑う明子に、幸恵は目をつり上げて食って掛かった。
「みんな、そう言ってるわっ」
「そうらしいわね。誤解なのよ。あのね、島野係長が今まで仕事用に使っていたケータイ、メールの機能そのものをつけていなかったんですって」
「へ?」
思いがけない明子の言葉に、とっさに木村がやや甲高い素っ頓狂な声をあげた。
「プライベート用のケータイではメールのやりとりはしていたけど、仕事用のケータイは通話さえできればいいって、契約の時につけなかったんだそうよ。でも、ケータイもかなり年季が入ってきたんで、日曜に広島から戻ってきたときに機種変して、そのとき、メールもできるようにしたんですって。さすがに、これだけ長い間、会社を離れていると、仕事用でもメールを使えたほうが便利だなって」
「へえ。まあ、割り切っちゃえば、通話だけでも十分ですしね、仕事の用件って」
「ただ、プライベート用のケータイではメールができていたでしょ。ときどき、会社の女の子とかに、教えて欲しいってせがまれることがあって、これは特別な人にしか教えられないからって断ってるうちに、それにいろいろと尾びれ背びれがついちゃったらしいわ」
「アドレスくらい、教えてあげればよかったのに」
「最初は教えていたんだそうなんだけど、第三にいたころ、教えた覚えのない客先の女性社員から、変なメールや電話がくるようになって、どうやって知ったのか問いただしたら、ウチの社員の女の子から教えてもらったって」
「それ、ダメでしょ。勝手に教えちゃ」
ぼかんとした顔で聞いてた木村が、信じられねえとぼやいた。
「そうよねえ。でも、教えちゃったそうなの。それから、教える人を限定することにしたんですって」
「へえ。なんか、いろいろ大変ですね、島野係長も」
しみじみといった感じの木村の感想に、明子もそうねえと頷いた。