リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なに、笑ってんだよ」
気持ち悪いなと、明子のその笑みに気づいた小林が、胡乱な目つきで明子を見ていた。
「えー。ちょっと、愉快なことを考えたら、可笑しくなって」
「あ?」
愉快なこと?
なんだ、そりゃと眉間に皺を寄せた小林に、明子は笑いながら説明した。
「いやー。こうなったら、催眠術師さんにでも頼んで、原田さんに催眠術をかけてもらおうかしらって。目が覚めたら、あなたはお仕事がしたくなるーって」
いやー、その様子を想像したら、面白くなっちゃって。
あははと誤魔化し笑いを浮かべる明子に、小林も呆れながらも笑い出した。
木村は一瞬きょとんとした顔で明子を眺めて、すくに破顔した。
その向こうでは、渡辺や岡島も肩を揺らして笑っていた。
「催眠術って……。お前、まだ余裕あるな」
「えーっ 余裕なんかないですよ。仕事一杯一杯で、きつきつなんですから、もう入れないでくださいよぅ」
小林の言葉を誤解して、頬を膨らませて抗議する明子に「そういうことじゃねえよ」と、小林はただ苦笑するしかなかった。
川田が完敗だと言うように、首を振って笑っているのが明子にも判った。
「なんつうか。俺なら、もうとっくに、見捨てちまうとこですけど。まだ、そうやって笑いながら、あれをどうにかしてやろうって、考えているんですね、小杉主任は」
「そんなんじゃないですよ。活路がまったく見出せないので、くっだらない妄想で、頭を休ませていただけですよ。実際問題、お手上げ状態ですもの」
「俺なら、午前中の時点で放り出しますよ、あれ」
「ひどかったのか?」
お茶を啜りながらの小林の問いかけに、川田は「耳栓が、欲しいくらいでした」と、肩を竦めながら答えた。
気持ち悪いなと、明子のその笑みに気づいた小林が、胡乱な目つきで明子を見ていた。
「えー。ちょっと、愉快なことを考えたら、可笑しくなって」
「あ?」
愉快なこと?
なんだ、そりゃと眉間に皺を寄せた小林に、明子は笑いながら説明した。
「いやー。こうなったら、催眠術師さんにでも頼んで、原田さんに催眠術をかけてもらおうかしらって。目が覚めたら、あなたはお仕事がしたくなるーって」
いやー、その様子を想像したら、面白くなっちゃって。
あははと誤魔化し笑いを浮かべる明子に、小林も呆れながらも笑い出した。
木村は一瞬きょとんとした顔で明子を眺めて、すくに破顔した。
その向こうでは、渡辺や岡島も肩を揺らして笑っていた。
「催眠術って……。お前、まだ余裕あるな」
「えーっ 余裕なんかないですよ。仕事一杯一杯で、きつきつなんですから、もう入れないでくださいよぅ」
小林の言葉を誤解して、頬を膨らませて抗議する明子に「そういうことじゃねえよ」と、小林はただ苦笑するしかなかった。
川田が完敗だと言うように、首を振って笑っているのが明子にも判った。
「なんつうか。俺なら、もうとっくに、見捨てちまうとこですけど。まだ、そうやって笑いながら、あれをどうにかしてやろうって、考えているんですね、小杉主任は」
「そんなんじゃないですよ。活路がまったく見出せないので、くっだらない妄想で、頭を休ませていただけですよ。実際問題、お手上げ状態ですもの」
「俺なら、午前中の時点で放り出しますよ、あれ」
「ひどかったのか?」
お茶を啜りながらの小林の問いかけに、川田は「耳栓が、欲しいくらいでした」と、肩を竦めながら答えた。