キスはおとなの呼吸のように【完】
「そうしたらある日、おふくろがここにこのステッカーを貼っておいてくれたんだ。仕事が忙しくて、いってらっしゃいはいえないけれど、無視してるわけじゃないんだよ、いつもおれのことを想っている。気をつけていってらっしゃいっていう意味だったのかな。これを貼られた日はすごくうれしくて、一日じゅう『いってらっしゃいワン』ていっていたのを覚えているよ」
「へえ」
カズトの顔を視線をあわせず見つめていった。
なんだか不思議だ。
想像するとにやけてしまう。
「へえ」
カズトの顔を視線をあわせず見つめていった。
なんだか不思議だ。
想像するとにやけてしまう。